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アダルト小説

草食系男子の逆襲

第1話

このまま死んでたまるか!の巻

「順平君は、いわゆる草食系男子なのかな?」
 冗談半分といった口調だが、グサリと胸に突き刺さる言葉だった。昨年末、父親の葬式で20年ぶりに会った親戚のおじさんが、いつまで経っても独身である俺を心配して言った一言。
 いや、それは違いますよ、おじさん……と言いたかったが、即座に反論材料が見つからなかったため、黙ってひきつり笑いを浮かべるしかなかった。
 これまでただの一度も自覚したことなどなかったが、もしかしたら俺は、おじさんが言うとおり「草食系男子」なのだろうか……。  俺の名前は、高橋順平(仮名)。38歳、婚歴なし。職業はフリーのグラフィックデザイナーだ。グラフィックデザイナーというのは、簡単に説明すると、雑誌の誌面などをレイアウトする仕事。専門学校を卒業して、小さなデザイン会社に就職。しかし、入社して15年目の一昨年末、出版不況の煽りで、その会社は潰れた。かくして俺は昨年から、フリーのグラフィックデザイナーとして独立せざるを得なくなった。
「職業はグラフィックデザイナー。独立してフリーでやってる」と言うと聞こえが良く、この自己紹介を聞いたアホなキャバ嬢なんかは、「へぇ! すっごい! だからオシャレなんですね」なんてことを言って、俺の服装を褒めたりする。
 このように、デザイナーの意味を勘違いされることは珍しくない。俺は服飾デザイナーではなく、グラフィックデザイナーなのだが、面倒な場合は、いちいちその誤りを訂正しない。訂正したところで、ポカンとされるだけなので、そういうときは「ま、仕事の話はどうでもいいじゃん。それより、飲もう!」などと即座に話題を切り替えたりする。
 もちろん、俺だって一応、常識のある社会人のつもりだから、いつどこで誰に対しても、そんな適当な会話をしているわけではない。相手が「一過性のどうでもいい女」の場合、そういうお茶の濁し方をしてしまうこともある、というだけの話だ。
「一過性のどうでもいい女」なんてことを書くと、あたかも俺がプレイボーイであるかのようだが、それは違う。
 なにしろ、女と最後にセックスをしたのは、かれこれ3年前の話だ。それも相手はカネで買ったデリヘル嬢だった(名前も忘れたし、顔も忘れた)。以来、女のオマンコを生では拝んでいない。
 恋人なんて、もう8年間もいない。いや、最後に交際したその女のことを恋人と呼べるのかどうかも、今となっては甚だ疑問だ。その女とは、仕事関係の忘年会で知り合った。たまたま帰る方向が同じだったので、電車内でメルアドを交換。以来、サシで食事や飲みを重ねるようになり、ある晩、なりゆきで自宅へ連れ込んだ。
「連れ込んだ」なんてことを書くと、なにやら能動的な匂いがするが、厳密に言うと、俺はあの晩、別にその女とセックスをしたかったわけではない。終電もなくなってしまったし、夜道を歩いている最中に向こうから腕を組んできたので、「タクシーで帰りなよ」と追い払うのは可哀想な気がして、半ば社交辞令として「俺んち来る?」と誘っただけ。
 誘って断られなかった以上は、何もしないわけにはいかないと思い、とりあえずキスして服を脱がして、セックスをした。
 いや、厳密に言うと、セックスはしていない。ペッティングどまりだった。俺はあの晩、勃たなかったのだ。「酔ってるからダメだな」という言い訳をした記憶があるが、実はそんなに酔っていなかった。俺は昔から、一般人の女と“初顔合わせ”するときは、アソコが勃たない傾向にある。ただ、日を改めるなどして何度か再挑戦すれば、どうにか勃起して合体できる。ひとたび合体に成功すれば、以後は滞りなく勃起するようになる。その最後に付き合った女とは確か、三度目の挑戦で合体できたと記憶する。
 以来、その女とは手をつないでデートするのが日課となり、互いの家を行き来するようになり、頻繁にセックスする間柄になった。傍目には「恋人同士」に見えただろう。だが、俺自身の当時の偽らざる気持ちを言えば、彼女は「一過性のどうでもいい女」のひとりに過ぎなかった。どうせいつか別れるんだろう、だったらお互いのために早く別れたほうがいんじゃないか……と思いながら、それを自ら切り出すことなく、ズルズル半年ほど付き合った。一過性にしては長い付き合いとも言えるが、「生涯愛し抜こう」という気がさらさらない以上、やはり「一過性のどうでもいい女」に分類せざるを得ない。
 料理がうまく、気だてもいい女だったが、ズバリ言うと俺は、最初から最後まで、彼女に惚れていなかった。だから、向こうから別れを切り出された瞬間、心の中で「やった!」と叫んだ。振るのはエネルギーを消耗するが、振られるのはラク。これでやっと、ひとりになれる。振られた晩も落ち込むことなく、ひとりで街へ繰り出して、安堵のビールを飲み干したほどだ。
 思い返せば、俺の過去の女性遍歴(というほど数はないけど)はほとんどすべて、そういう不毛な交際の繰り返しだったような気がする。惚れてもいない女となんとなくセックスし、それを契機に付き合いめいたことを始める。だが、最初から惚れていないし、途中から惚れることもまずないので、会うのがだんだん億劫になっていく。しかし、相手の悲しむ顔や怒った顔を見たくないから、なるべく自分からは別れを切り出さず、連絡回数や会う回数を減らすことで、自然消滅を図ったり、振られるのを待つ。それでも相手がすがりついてきた場合は、半年をメドに、こちらから別れ話を切り出すのだが、「嫌いになった」「そもそも好きじゃない」などのキツい言葉は決して言わない。「仕事が忙しいからしばらく会うのをよそう」「お前にはもっとお似合いの男がいると思う」などの方便で逃げ切る。そうしてなんとか別れることに成功した直後は、ああ、女なんか面倒くさいから当分要らない、と思うのだが、しばらく経つと、また違う「一過性のどうでもいい女」とそういう仲になってしまい、早ければ数日後、遅くとも半年以内には別れる。その繰り返しだ。
 いつしか俺は、そんなに自分に心底嫌気が差してきた。そして8年前、ちょうど30歳のころに、さきほど述べた最後の恋人、もとい、最後に付き合った「一過性のどうでもいい女」と別れて以来は、もう惚れてもいない一般人と肉体関係を持つのはやめにしようと心に決めた。じゃないと、相手に悪いし、自分も苦しくなるからだ。
 どうしても女とやりたくなったら、後腐れのない風俗に行けばいい。どうしても女と喋りたくなったら、キャバクラやスナックに行ってその場限りの適当な会話をすればいい。
 齢30にしてそんな悟りを開いてしまい、実際、その後の数年間は、性欲がたまるとカネで女を買うという、ふしだらなナイトライフを送ってきた。だが、やがてそれもむなしくなってきて(カネがかかりすぎるという経済的な事情もあり)、3年前のデリヘル遊びを最後に、女との肉体的な関わりをほぼ全面的にシャットアウトした。
 そして、気付いてみたら40間近にして独身──。
 こんな俺、いかがだろう? と世に問いたい。「よろしくない」という答えが大半だろう。
 自分で自分を客観視してみても、「世の中に大きな迷惑こそかけていないが、まったくもって健全じゃない男」だと思う。
  20年ぶりに会った親戚のおじさんに「草食系男子」と言われたとき、俺は一瞬、カチンときた。俺のことをよく知りもしないくせに適当なことを言うな、俺だってこれまでいろんな女とハメハメしてきたんだぞ、と言いたくなった。だが、そのハメハメの実態は決して肉食系ではないことを俺はすぐさま自覚した。野性味や能動性に欠けるセックス、情熱のない刹那的なセックスをいたずらに繰り返しているうちに、身も心も干からびてしまったアラフォー男、それが俺ではないだろうか。「草食系男子」という指摘がある意味図星だったからこそ、俺はカチンときたのだろうし、おじさんに反論もできなかったのだ。
 それにしても、「草食系男子」という言葉は好きになれない。人間を乱暴にひとくくりにしようとする、無礼かつ軽卒な流行り言葉だと思う。だからこそ、そんなカテゴリーに分類されてしまった自分に対し、そのとき激しい苛立ちを感じた。と同時に、亡くなった父親、生んでくれた母親、ひいてはその両親を生んでくれた祖先にも申し訳ない気がした。
 俺はなんのために生まれてきたんだ? このまま老いさらばえていいのか? いや、いいはずがない! 父親の葬儀のあと、しばらくそんな葛藤に苦しんだ。そして2010年の元旦に、俺はとうとう決意した。
 もはや手遅れかもしれないが、自分の欠点を是正するべく、ガムシャラに努力をしてみよう、と。
「草食系男子」という不名誉なレッテルを剥がすために、そして、もうちょいまともな人生を送るために、俺は男として立ち上がることを決意したのだ。
 見てろよ、父ちゃん!
(つづく)

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